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2009年6月22日 (月)

「会社四季報」を考える(その1) : かかし

 東洋経済新報社の顔ともいえる「会社四季報」の編集長をなさっておられた田北浩章氏のお話を伺う機会がありました。実に興味深い内容で、その一端をお伝えしてみたいと思います。

「会社四季報」って何?

 日本の全上場会社(3803社)について、会社の業績や財務のデータ、記者の会社に関するコメントなどを記載したものです。元編集長の田北氏は強調しています。「『会社四季報』は決してデータ集ではない」「記者の眼を通して作られた評論誌だ」。

 確かに、ライバルであるN社は新聞も発行しているため、それとの整合性の問題もあって、記述の自由度が小さくなると言えるかもしれません。その点では、「会社四季報」は、より大胆に意見を述べることができそうです。

「会社四季報」はどうやって作るの?

 記者120人、データ処理250人、計370人で作ります。これだけ大人数でも、締切間際には昼夜の区別がつかなくなるそうです。

 昭和11年、2.26事件の年に創刊されました。それから今まで続いています。実は、正確に言うと昭和20年は発刊されませんでした。終戦の年で、印刷する紙がなったからです。

 ちなみに、編集の激務は言語に絶するそうです。「もう二度と編集長はごめんだ」と繰り返しておられました。

「会社四季報」はいつ出るの?

 年に4回出ます。春、夏、秋、新春の4回です。「冬」という言葉は使わないそうです。まあ、理由はわかりますが。

 月で言うと、3月-6月-9月-12月の4回です。

 ところで、この4回のうちどれが一番売れるかわかりますか?

 夏号、つまり6月だそうです。理由は企業の3月本決算のデータが記載されるためです。

 それでは、一番売れないのは?

 秋号(9月)です。3月の本決算の結果が記載される夏号、9月中間決算の内容を確認できる新春号との間にあるために、投資家の興味が弱まるためです。

 ならば、田北元編集長の一番のおすすめは?

 面白いことに、これが売れ行きとは大分違うのです。もしご興味をお持ちでしたら、詳細を私のブログ「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/  に「年4回の『会社四季報』どれが一番?」というタイトルで多少詳細に書いておきましたので、ご覧いただければ幸いです。

 次回は「会社四季報」の内容の特色とその読み方について、田北氏のお話と、読者である私自身の考え方を取り混ぜてご報告したいと思います。

 追伸

「会社四季報」の売れ行きは?

 田北氏のお話を伺った日は、ちょうど夏号の発売日当日でした。当然のことですが、氏も相当に気になっていらっしゃったようで、紀伊国屋での販売部数が正確に頭にインプットされていました。

 雨でも降れば、売上は一挙に1-2割は落ちてしまうそうです。

 幸い雨は降らず、株式市場の上昇もあって、販売は絶好調。ライバル社に格差をつけているようです。しかも、「圧倒的」な格差なんだそうです。もちろん、私は別に確認したわけではないのですが・・・ 

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