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2009年6月19日 (金)

5月のRBA豪ドル売り:津田

ちょっと余りオフィスに居なくて、暫くぶりですみません。
RBAの豪ドル売りですが確かに野村さんご指摘のように5月は結構まとまって売ったようですね。本日の当地FR(Financial Review)に記事が出ていましたのでちょっと内容をサマライズします。FRでRBAの豪ドル売りを取り上げる自体、非常にまれですので、やはり市場の注目を浴びているということなのでしょう。

まず事実関係としては昨日発表されたRBAの5月Bulletinに豪ドル売りの詳細が載っていたようです。内容は:
『・RBAは5月にUSD2bio相当の豪ドル売りを実施したが、アナリストの見方はRBAが急激な豪ドル上昇に歯止めをかけ、輸出業者への圧力を和らげようとしたもの。
・外貨準備補填のために政府が売る必要があった豪ドル額が約USD400mio相当と推定されるから、USD1.55bio相当は必要以上の豪ドル売りであった。
・この金額は売りサイドの”介入(interventionという言葉を使っている)”としては2004年2月以来の金額であり、80セント超はRBAの利食いと、豪ドル高騰をチェックするというの両面から”売りポイント”であるとRBAは認識している模様。
・統計によるとRBAはUSD1.4bio相当の豪ドルを直接為替市場に売却し、USD500mio相当を海外中央銀行や国際機関に売却している。』

Royal Bank of ScotlandのGreg Gibbsは「通常RBAは豪ドル高に対してガタガタ言わないが、今回は市場の豪ドル高志向を失望させる手に出たようだ」と指摘する。その背景は豪ドルは過去3ヶ月で20%以上上昇し、交易条件の悪化により輸出業者が傷付いていることが挙げられる。

また6月のRBA理事会議事録においても以下の指摘があった:
・最近の豪ドルの上昇は経済に害を与えている。
・最近の豪ドルの上昇は景気刺激策の効果を相殺させている。

またGibbs氏は「もし豪ドルが決定的に上昇トレンドに乗ったのであればこの程度の金額でトレンド転換は出来ないであろう。しかしもし以下の逆風、つまり世界の株価上昇の調整局面入り、調達コストの再拡大、長期的な景気回復展望への疑問などから豪ドルブルセンチメントに陰りが見えてくればこの介入効果は意味を持つ」と指摘する。

また同氏は「もしRBAが5月にある程度の規模の豪ドル売りを行ったのであれば、6月も継続的に売るであろう。この種のオペレーションにおいては一旦金額を増やし始めたら、豪ドルが強い限り、継続的にまとまった豪ドル売りを実施するものだ」と指摘する。

以上が新聞記事であるが、豪ドルは5月の高値80セントに対して6月は一時82セント台まで2度上昇して、その度に78セント台まで反落しているが、背後でRBAがやはり動いているのであろうか??
昨年7月に98セント台まで上昇時もRBA介入の話など”つゆ”でなかったが、やはり未曾有の経済危機、金融危機にあって国民の税金で景気刺激を行う政府にとって、外需の足を引っ張る投機的な豪ドル買いに対して目をつむることは、政府の信任に関わることなのであろう。

ただ、個人的にはこの介入はあくまでスムージング・オペレーションであると思われる。今後世界経済の回復基調が鮮明となり、商品相場が力強く上昇基調を取り戻す地合になれば、自ずとスムージングの出動回数も減るものと思われる。

なお、RBAの市場操作については前回にも言いましたがRABのホームで見られます。
まずホームページwww.rba.gov.au/  に入り、左の Statisticsをクリック、
次に Alphabetical Index of Statistics をクリック、アルファベットのFをクリックして、

  • Foreign Exchange Transactions and Holdings of Official Reserve Assets - Current and Historical - A4
  • のHistorical-A4をクリックでページに到着。一番左の Marketが為替市場との直取引で
    金額はUS$相当のようです。May2009は1433となっていますが、プラスがRBAの豪ドル売り、マイナスが豪ドル買いです。因みにOct 2008は-3150でUSD3.15bio相当の豪ドルを買っているようです。

    ではでは

    Have a nice weekend, TGIF

    Joe






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