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2009年6月 3日 (水)

ユーロ/ポンドが0.8600割れ!

ユーロ/ポンドが0.8600割れ!

Europondjun3

ポンド/ドルでは、シカゴ先物市場のポジションが先週火曜日時点で24,529枚ショート(売り持ち)とコストの悪いポジションです。損切り相場がポンドを押し上げているようです。そしてここにきてリスク志向のマネーがロンドン市場に向っているようです。金融産業が英国の中心産業にのし上がり、その体質を容易に変えることは出来ないようです。大きなフローがロンドンに流れているようです。英国金融機関は東欧諸国への融資が高く、融資部門不振の状況で、投資銀行部門が収益を牽引しているかの動きです。株式、債券、そして外国為替がその中心です。株式はご存知の通り、債券ではギルト債のイールドカーブのスティープニング操作で莫大な利益、そして外国為替でポンド、ユーロなどに投資と好調にようです。

このような相場環境で、ユーロ/ポンドが0.8600割れとユーロ売り/ポンド買いを強めています。欧州の投資家はユーロ/ポンドでのポジションニングをしているようで、英国とユーロ圏の金融政策のスピードの違いからこの動きになっているのではと推測します。BOEは金融政策委員会では0.50%の政策金利と総額1250億ポンドの資産買い入れプログラムと流動性供給に怠りはないようです。追加の資産購入があるか、今回の金融政策委員会では注目です。反対にECBは政策金利1.00%とトリシェ総裁は前回記者会見の席で1.00%が最低水準とは言っていません。対応が後手後手に回っている感がします。これはユーロ圏の国々のそれぞれの経済事情があるようです。ドイツだけをユーロ圏と見る動きは極めて危険です。16カ国の経済情勢を全て満たす金融政策はどうしても遅れると思います。ユーロ圏の失業率は9.2%ですが、スペインでは約17%と倍近い数字です。当然スペインの委員からは利下げ要求と思います。スペインでは住宅ローンで相当しこっていますから少しでも緩和すれば国民が納得します。アイルランド、ポルトガルなども利下げしてほしいところです。ドイツ、オランダ、フランスなどは利下げはもういいのでは雰囲気のようです。2つのグループ分けしているユーロ圏の問題点と言えます。Bグループからは利下げ圧力は強いのではと思う次第です。そのあたりが前回記者会見でトリシェ総裁は最低金利ではないといった背景ではないかと思います。今回0.25%の利下げの可能性が全くないとは言い切れないと思います。消費者物価指数がフラット(0.0%)は利下げした場合の理由付けになると思います。金利先物市場では全くこのアイディアを織り込んではいませんが。前回の定例理事会では、カバードボンド600億ユーロの購入と「量的緩和」に踏み切る第一歩に踏み出しました。トリシェ総裁は量的緩和ではないと明言されています。今回他の中央銀行同様に国債の買い取りに踏み込んだ非伝統的金融手段つまり量的緩和に踏み切るか注目です。そんなわけで、ディーラーの中には英国とユーロ圏の政策金利の縮小が、ユーロ/ポンドのユーロ売り/ポンド買いに無理矢理理由付けしているのではと思います。

長期金利はユーロ金利指標のドイツ連邦債(ブンズ)10年利回り3.66%、英国債(ギルト)10年債が3.89%と利回り上昇を続けています。短期債は足元の金利と連動する傾向で、ともにイールドカーブのスティープニングが進んでいます。特に英国債はその傾向が顕著です。ポンドの債券ディーラーは腕の見せ所です。現在は10年債と2年債のスプレッドは272bpsと一ヶ月前の247pbsからは急上昇です。

こんな状況でECBECBの会合を待ちましょう。

それでは。

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