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2009年5月21日 (木)

(豪州特集)RBAの収益計上:津田

こちらのFinancial Reviewに面白い記事が出ていたのでお知らせします。

RBA(豪州準備銀行=中銀)は史上最高の50億豪ドルの配当を政府に支払う用意があるが、政府は来年度以降財政赤字が改善するとの見通しの下、全額を受けるつもりはないようである。
RBAは2009/2010年度に政府に49.4億豪ドルの配当を支払うつもりであるが、この額は8/9年度の14億豪ドルからジャンプアップしており、過去最大となっている。

急増の主な理由はRBAのボンド・ポートフォリオ益と為替の市場介入益である。
財政逼迫時においてこのRBA配当は大きな恩恵であるが、政府は配当のうち7億5千万豪ドルの受け取りを10/11年度まで延期した。

5月12日発表の09/10年度連邦予算案ではこの調整のために、本来09/10年度赤字56億9千万豪ドル、10/11年度赤字57億8千万ドルのところを09/10年度57億6千万豪ドルの赤字、10/11年度57億1千万豪ドルの赤字と発表し、多少なりとも次年度に改善する印象を市場に与えた。

ただこのRBAの配当受け入れ操作のカラクリは特別の措置ではなく、過去にも前例がある。
1999/2000年度予算においては、ハワード政権が2000/01年度の財政赤字を回避するために7億豪ドルの受け入れを次年度に延期した。
また黒字財政のでこぼこをならすために03/04年度の配当受け入れを06/07年度まで延期した例もある。

今回のRBAの収益急拡大はいくつかの偶然によりもたらされており、今後簡単に再現できる可能性は少ない。

1.為替介入益
過去のリセッション期においても豪ドル防衛のための介入が収益に大きく貢献した例がある。過去の史上最高益は1986年の当時のポール・キーティング財務相の”バナナ・リパブリック発言”後の豪ドル暴落時、1990年代初頭のリセッション時、1997年のアジア金融危機時に見られた。
今回の世界金融危機時において、RBA介入の評価は高い。RBAは10月、11月に35億豪ドルを買い介入した。62セント近辺で市場に入り、今回75セントに上昇する過程で24億豪ドルを売り戻して収益を確定させたと言われる。

2.ボンドポートフォリオ益
300億ドルの外貨準備の多くを外国政府債券で運用しているが、世界各国の急激な金融緩和により長期債価格が急騰した。RBAの収益は実現益のみを対象にしており、未実現利益は将来の損失補てんのために貯めおかれる。今回たまたま、より流動性のある期間へのポートフォリオ調整を行ったために、債券ポートフォリオから実現益が出た。

3.市場貸し出し益
RBAはまた、市中銀行に短期中心の融資を行っており、そこからベース収益を得ている。政策金利の低下は銀行融資収益を減少させたが、一方世界的な金融危機下において金融機関支援のため貸し出しを急激に増加させたため、金利収入減とはならなかった。

(以上、当地Financial Review 15th Mayの記事より)

豪州のGDPは日本の5分の1であり、RBAのバランスシートの大きさも日銀の比ではないであろうが、日銀も財政赤字削減への貢献度を数値で出せばいいのではないかと思う。


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