匍匐前進(その2) : かかし
先週は日米とも好調でした。日経平均株価は5%強、NYダウ平均株価は4.4%上昇しています。
今日は株式相場のローテーションについて考えてみたいと思います。これまで、ディフェンシブ銘柄とか景気敏感銘柄などを、特に説明することもなく使ってきましたので、ここである程度まとめておいたほうが良いと考えました。
以前お話させていただいたと思いますが、景気と株価には強い連動性があります。その関係を要領よくまとめた書籍として、「ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え」(2002年、ダイヤモンド社)があります。カリフォルニア大学のピーター・ナヴァロ教授が書かれたもので、私もおおいに参考にさせてもらっています。
その内容を詳細にご紹介する時間もスペースもないのですが、私なりに図解したものがこれです。
ポイントは、景気と株価が連動しており、景気の局面に応じて共通の特色を持ついくつかのカテゴリーが異なった変動をするということです。
たとえば、景気が悪いときは、不況抵抗力の強いディフェンシブな銘柄群の株価が堅調に推移するケースが多く、景気が良いときには、成長性の高い元気な銘柄群(景気敏感株やハイテク株など)の株価が好調であることが多いと言えます。
ナヴァロ教授は、この図からもお解りのとおり、景気サイクルにたいして株式市場のサイクルが先行すると指摘しています。ただし、その先行性(ギャップ)については、必ずしも明確に説明されているわけではありません。
実は、私が「在庫循環モメンタム」という指標を多用する理由がここにあります。この指標が一般の景気指標に対して先行性を持つためなのです。
なぜ先行性をもつのか? 単純な理由です。出荷や在庫の動きを水準ではなく変化率で把握するからなのです。
そして、その在庫循環モメンタムは、前回にも指摘しましたが、反騰に転じました。そのため景気敏感循環株に注目しています。
もう少し具体的に、どのようなカテゴリーに注目したら良いのでしょうか?
ナヴァロ教授の図からは、自動車などの輸送用機器、金融などが浮かび上がります。
私は、不況克服のための公共投資や減税の恩恵大きな分野に注目しています。住宅関連などが面白いと見ています。また、グローバルに見た公共投資という観点からは、地球環境にやさしいグリーン・インダストリーにも注目しています。排気ガス除去装置の日本ガイシなどです。
さらに、不況によるリストラや業界再編成の恩恵を受ける分野についても注目していますが、これについては私のブログ「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ で「なぜリストラで株価が上昇するのか?」というタイトルで述べています。併せてご覧いただければ幸甚です。
野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社
| 固定リンク
「日本株」カテゴリの記事
- 超長期波動 : かかし(2010.12.27)
- セクター・ローテーション : かかし(2010.12.20)
- マクロウェーブ・インベストメント : かかし(2010.12.13)
- 11月の米国雇用統計の影響に注目! : かかし(2010.12.06)
- 今週の日経平均株価は小動きか? : かかし(2010.11.29)
「6かかし」カテゴリの記事
- 株式市場調整後の姿を思い描く : かかし(2009.07.13)
- 日米両国の株式市場調整について考える(2009.07.06)
- 「会社四季報」を考える(その2) : かかし(2009.06.29)
- 「会社四季報」を考える(その1) : かかし(2009.06.22)
- 日経平均株価10,000円到達の意味を考える : かかし(2009.06.15)
コメント