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2009年5月14日 (木)

巨額財政赤字がボンド市場を活性化?:津田

豪州は1996/97年度から昨年度まで財政黒字を続け、国債発行残高は大幅に減少し、これが国内債券市場衰退の一因とも言われてきた。
その意味で今週水曜日にスワン財務相により発表になった来年度予算における大幅赤字予想は”国債をはじめとする債権市場を久々に賑わせるであろう”という、皮肉な観測を呼んでいる。

来年度中(2009年7月~2010年6月)に史上最大の600億豪ドルの国債を売らなければならない豪州は、「資金調達のために、見ず知らずの外人の手助けを借りなければいけない」という、”財政赤字国リーグ”にめでたく参加することができたということである。 

ラッド政権に対する人気は、国民の税金を資金源とした消費者、年金生活者、学生そして家庭に対する大型救済金配布作戦により確保される可能性はあるが、その結果来年度(2010年6月まで)の財政赤字は576億豪ドル(GDPの4.9%)に膨れ上がると予想されている。

世界の大国から小国に至るまで、各国政府は歳入と歳出のギャップ穴埋めのためにボンド市場からの資金調達に頼らざるを得ない現実にある。しかし各国政府にとって不利なのは、ボンド市場があくまで買い手(投資家)市場になっているということだ。

今月初に行われた米国の30年債オークションは投資家にそっぽを向かれて不調に終わり長期金利の上昇を見た。10年債利回りは今年年初の2%から現在3.17%まで上昇している。英国など欧州圏においても国債オークションの不調が伝えられている。

豪州においては来年度末(2010年6月)までに政府債発行残高は1,330億豪ドルに達するとみられるが、2008年6月年度末での実績790億豪ドルの2倍弱への急増となる。
政府債務がピークに達するのは2010/2014期でGDPの13.8%と想定される。しかしこの数字は先進国の2014年における平均国政府債務がGDPの80%に達する予想と比べると、はるかに小さい。コモンウエルス銀行の試算では2013年6月までに国債発行総額は2,400億豪ドルに達するという。

豪州金融管理局は今まで新規国債の販売で苦労をしたことがなかったが、今後は投資家の購買意欲が試されることとなる。

また同時に懸念されるのは、今後金利の上昇に伴い、国別格付けが最高の国(トリプルA国)においても、国債発行コストの急増が予想され、どの国においても財政赤字削減計画の実行を困難にすることが予想される点である。

とりわけサブプライムローン問題の震源地である米国のオバマ政権は、経済再生のための7,870億ドルに上る景気刺激策実行後、いまだかつてない巨額の財政赤字問題に直面している。

議会予算局の試算によると2009年度の財政赤字は1.8兆ドル(2.4兆豪ドル)、GDPの13.1%に上り、もちろんこれは第二次世界大戦後最大の赤字規模となる。---米国のGDPは豪州のほぼ15倍大きいが、それを勘案してもはるかに大きい赤字額---
この財政赤字は2010年度には若干縮小して1.4兆ドル(GDPの9.6%)となり、2012年にはGDPの4%に縮小し、2019年まではGDPの4~6%水準で行くと見ている。

最近の米国債利回りの上昇は、今後経済が回復し始めた後、金利が大幅に上昇することを先取りしているとの見方がある。インフレ懸念と多額の国債に対する消化不良というダブルパンチの結果の金利上昇懸念である。

逆にスマートな投資家は株式市場のラリーと国債金利の大幅上昇を秤にかけて、株式から国債へのポートフォリオ変更を考える地合が到来するかもしれない。





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