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2009年4月15日 (水)

どこが一抜けするのでしょうか?

金融市場はどこの経済圏が一抜けするのか注目しています。

米国が一番の候補のようです。米国の景気回復には不動産と金融機関が鍵を握っているようです。不動産の経済指標を見ると2月の住宅着工件数が58.3万件と22.2%前月比で伸びています。政府が住宅ローン金利を引き下げ、住宅購入層の心理をくすぐっています。住宅はミドルクラスにとっては必需品と言えます。米国では新築よりも中古の住宅購入層が投資目的(現在はかなりへこんでいるようですが)もあり、新築の10倍程度の重要があるようです。2月の中古住宅販売件数は472万件とこちらも5.2%前月比と伸びているように思えます。しかし、1月のS&P/ケース・シラー住宅価格はマイナス18.97%前年比と住宅購入層の心理を好転させる程の数字ではないようです。

金融界はどうでしょうか?時価会計の基準を緩和して、表面上良い資産内容にすることで、金融機関の収益向上を図っています。これは、日本の90年代の原価会計から時価会計への移行で、金融機関が含み損失を先送りする時代を思い起こさせます。景気回復が想定されるという前提での緩和措置であれば良いのですが、想定外の景気回復遅れ状態になれば、なぜあの時に基準を緩和したのだと批判がでることも予想されます。しかし、見切り発車です。ウェルズ・ファーゴの決算見通しを説明するCFOを米経済テレビで見て、本当かなと思いました。今週はゴールドマンサックスが決算発表で、予想以上の収益回復を発表しました。トレーディングリスクが第1四半期には24000万ドルと前年同期の15700万ドルよりもかなり増えています。これはValue at Riskと言われるリスク許容度を示し、0.01%の振れで損益がどのように変化するリスクであり、市場環境、トレーダーの技量により変動します。投資銀行業務から商業銀行業務に転換したとの発表とは裏腹に、投資銀行業務であげた収益です。Toxic Asset(毒資産)での収益です。喉元過ぎれば何とかで、元々のビジネスモデルに回帰しているかのようです。これは今後発表されるJPモルガンチェースやシティグループの決算発表とは同質とは言えないようです。本来の商業銀行回帰のビジネスモデルの徹底とはいかないようです。現在どん底と米産業界では、商業銀行中心のビジネスモデルで金融機関が稼ぐということは難しいと思います。貸出が伸びないことには収益は伸びません。先週の著名金融アナリストの貸倒引当金を心配するレポートの真実味はありそうな気がします。その意味で後者2行の決算の中身が注目されます。

そして現在の財務省とFRBの金融政策です。米財務省は上期だけでの約19000億ドルに上る歳出と、財政出動で景気回復、金融危機対策に出ています。FRBはゼロ金利政策とバーナンキ議長の言う信用緩和で、金融機関に無理矢理資金を供給する構えです。楽観的見方で景気回復となれば、隠れ損失の本当に隠れてしまうのですが、世の中そんなに上手く行かないのが現実です。昨日の米小売売上高が悪く、投資家が本当に米経済は回復するとの期待感に冷や水を浴びせたのが典型例です。疑心暗鬼の金融市場、投資家、投機筋ではないのでしょうか。ドル金利は当面低水準で安定、バーナンキ議長はインフレに対する警戒感は緩めていないポーズですが、本当に第3四半期からは景気回復途上の道筋になるのか疑問符ですね。期待感から株式市場を中心にリスク志向が強まる傾向ですが、シナリオ通りにことが進めは、相場展開は容易に推測できるのですが。

それでは。

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