さらに一歩(その5):かかし
「かかし」です。
先週の日経平均株価も堅調でした。1週間で約2.4%、5週連続の上昇となりました。直近の底値からわずか1か月で約28%上昇したことになります。NYダウ平均株価も先週は0.8%ほど上がりました。こちらも直近の底値から約25%の上昇です。
さて、問題はここからでしょう。このような急ピッチな上昇がずっと続いてくれればよいのですが、そううまくいくものかどうか・・・。9000円の大台に乗って、上昇率も多少鈍ってきたようです。
「さらに一歩」とする強気のスタンスは維持するにしても、一時的な調整があってもおかしくない水準に差し掛かっていると考えています。
そこで、当面の基本的なスタンスを確かめるために、少し長い目で現状を確認しておきましょう。
3月2日にも申し上げたのですが、株価は景気に連動します。株価は経済の動向を映す鏡であると言われますから、当然のことなのでしょう。景気指標と日経平均株価の動きを見ると、きれいに連動しています。景気指標のわずかな変化と株価が実に敏感に連動しています。
ここで用いた景気指標は「鉱工業在庫循環モメンタム」と呼んでいるもので、出荷金額の前年同期比増減率から在庫金額の前年同期比増減率を差し引いたものです。金額ベースであることに注意してください。詳細な説明は昨年12月8日にさせてもらっています。
この在庫循環モメンタムを、もう少し詳しく見ると、次のようになります。
ここから読み取れることは、出荷の減少が続くにもかかわらず、在庫が大幅に減少しているため、在庫循環モメンタムが下げ止まりの兆しを見せ始めたということです。
特に注目しているのは、ハイテクの分野です。半導体集積回路の出荷と在庫の動きを見てください。これは数量ベースなのですが、出荷がわずかながら反転するとともに、在庫も大幅に減少したため、景気指標が明確に反騰に転じました。
この動きに株価が反応しないわけがありません。住友ベークライトという半導体封止材のメーカーがあります。この分野では世界でトップです。昨年10月28日の株価を底値に、気がつけば先週金曜日までに何と51%も上昇しています。
エレクトロニクス分野の戻りには、確かに売り方の買い戻しによる踏み上げという要素があり、油断はできません。しかし、株価は在庫の減少が大好きです。何よりも、弱気のコンセンサスの中でたたき売られたことが、皮肉な買い安心感の源になっています。
ここは欲張らずに、パナソニック、アルプス、ローム、そして住友ベークライトなど質の高いエレクトロニクス分野から銘柄を選び出すのもいいのではないでしょうか?
余談ですが、野村様にご紹介いただきましたとおり、私のブログを立ち上げることになりました。ちょっとした事情があって、プロとして証券分析をやっていた仲間たちが集まることになったのが、ブログ立ち上げのきっかけでした。もしお時間があれば、ちょっと立ち寄ってみてください。よろしくお願いいたします。http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/
かかし
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