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2009年4月21日 (火)

米株価の調整が続く:竜河

米供給管理協会が4月1日発表した3月のISM製造業景況指数をみると、3月の新規受注指数は41.2%と、前月より8.1%上昇しました。これで、新規受注指数の反発は3カ月ほど続くことになり、企業の在庫削減努力が実り、景気の改善を示す指標はこれからも続々と発表される公算が大きい。

 

他方、銀行は引き続き重荷を背負っており、融資拡大して景気を引っ張っていく役割を果たせないでいます。事実、昨日発表されたバンク・オブ・アメリカのQ1決算を見ると、利益の90%前後が中国建設銀行株の売却益、資産評価基準の変更益、及び債券トレーディング益など一過性のモノであり、他方、不良債権が昨年同期の70億ドルから260億ドルまで膨れ上がり、資産内容の劣化は止まりません。

 

米銀にとって、今後、クレジットカード・ローンの内容劣化も重荷になると思われます。報道によれば、マスターカードの最大発行機関であるシティグループでは、3月のカード・ローンのデフォルト率が9.66%と、前月の9.33%から上昇しました。同じように、ビザカードの発行が多いJPモルガン・チェースでは、3月の貸し倒れ償却率が7.13%と、前月の6.35%から上昇しました。カード・ローン総額が100兆円にも達していることを考えれば、その内容の劣化は決して小さいことではありません。

 

保有している資産の劣化が止まらず、銀行が貸し出し増に動けないとすれば、消費の回復が遠のき、在庫補充が一巡すると景気が再び落ち込む可能性は高い。

 

我々は、先週水曜日(15日)、S&P500種の出来高が縮小していることから、反発力がそろそろ限界に来ていると書きましたが、事実、昨日の急落(-4.28%)で、S&P500種は14日の終値すら下回るようになりました。

 

下記はそのS&P500種チャートの再掲載(今回はデリー変化)ですが、調整がまだまだ続くと示唆しています。

Sp500apr21

 

中国について言えば、先週火曜日、我々が、「今年第1四半期の新規貸出残高は45800億人民元にのぼり、昨年の年間総額に接近しています。…、投資好きな人達からみると、マネーサプライのスピードが落ちてくるまでは株式投資を増やすべきです。…、今後、中国にとって、1つの危惧は、記録的な銀行貸し出し増の結果、数年後、中国版サブプライム問題が起こり、金融システムがメルトダウンすることです」と書きましたが、その考え方は変わっていません。

 

昨年1年の貸出増加額が5.8兆人民元で、それに対し、今年第一4半期だけで4.6兆人民元になりました。ここがまさに中国の中央銀行である人民銀行の難題です。即ち、これからの3四半期はどうすれば良いのか、今のスピードでお札を刷り続けば人民元の価値低下は避けられないが、抑制すれば景気が減速し株価も下落すると予想されます。政治からの8%成長確保至上命令は決して容易いものではありません。

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