年金は春からドルは買わない
「年金は春からドルは買わない、公的年金の為替が出るか」
3月から4月始めの為替の記事でリパトリの円買いとか公的年金の売りが新年度に集中するとかがあって、驚くばかりであった。
リパトリとか年金とかというとインパクトがありそうなので軽く使われるが、どちらも事実ではない。
リパトリは海外に利益あってこその日本への送金で円買いとなるが、今年は海外での収益は微々たるものあるいは赤字だろう。赤字ならば逆に日本から送金しているのではないだろうか。
年金が4月の新年度で外貨投資をするとの話もあったが、そんな取引は見たことがない。
円売りなら私の長期保有外債も潤うので嬉しいが、ウソで喜ぶわけにはいかない。
年金は平成20年末で外債9.1兆円、外株7.8兆円保有する機関投資家であり、彼らが動くと相場も動く。ただ特に4月に動くデータはない。以下は19年度のデータなのでちょっと古いがまだこれが最新のもの、を見ると外貨投資の月別配分は以下の通りで4月一点集中はないどころ4月、5月はゼロであった。他の年度も4月に外貨投資を多く配分したデータは見たことがない。
年金外貨投資(債券&株)の月別配分と回収額のデータ。回収していない=長期保有持ちっぱなし、GPIF資料より。
億円 | 外貨投資配分 | 回収 |
4月 | ゼロ | 以下すべて |
5月 | ゼロ | ゼロ |
6月 | 641 | |
7月 | ゼロ | |
8月 | 601 | |
9月 | 596 | |
10月 | 601 | |
11月 | ゼロ | |
12月 | 1861 | |
1月 | 3307 | |
2月 | 521 | |
3月 | 632 | |
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