入門通貨危機4、アジア2
「入門通貨危機4、アジア2」
「タイ」
1990年代のタイ経済はそれまで年間平均経済成長率9%を記録していたが、1996年に入るとその成長も伸び悩みを見せ始めていた。この年、タイは初めて貿易収支が赤字に転じた。1997年5月14日、15日にヘッジファンドがバーツを売り浴びせる動きが出た。これに対して、タイ中央銀行は通貨引き下げを阻止するため外貨準備を切り崩して買い支えようとしたが底をつき、同年6月30日には、当時の首相、チャワリット・ヨンチャイユットが通貨切り下げをしない(ヘッジファンドの攻撃に対する事実上の敗北を認めた)と宣言したものの、同年7月2日に変動相場制を導入すると、それまでの24.5B/$だった為替レートが一気に29B/$台にまで下がった。
このため国際通貨基金(IMF)などは同年8月11日、20日の2回に分けて172億ドルの救済を行った。1998年一月には、最低の56B/$台を記録する。タイ中央銀行が必死に自国通貨を買い支えるべく奮闘しながら果たせなかった。
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