株価の本当の底入れはまだ先でしょう:竜河
津田さん、
ベアマーケットの翌年、株価が上昇しやすいというAustralian Financial
Reviewの記事は正しいと思います。
振り返ってみると、90年初頭に日本の土地・株バブルが崩壊し始め、株価は急落しましたが、その翌年の1月16日から3月18日まで約2カ月の間に、日経平均は21%弱も反発しました。
ただ、このような暴落直後の急騰は、往往にして長続きしないことが多い。
その理由は、ファンダメンタルズとテクニカルの観点から説明できると思います。
ファンダメンタルズの面からみると、行き詰った今までの経済成長パターン(今回の金融危機でいうと、クレジットバブル、即ち信用の無限膨張)は破滅したが、代わりになる新しい成長パターンを見つけ出し、経済がそれに適応するには時間がかかるとのことです。そのため、陰の極に達した相場は自律反発したものの、ファンダメンタルズのサポートが得られず、再び下落する可能性は大きい。
テクニカル的な面からみると、株価急落した後、時間をかけて底を作らなければ、反発しても、残っている在庫玉がやれやれの戻り売りに出され、相場を圧迫することになります。逆に、長い時間をかけて相場の底が作られると、戻り売りに出される可能性のあるシコリ玉は殆ど処分されたため、相場の上値が軽くなります。
私見では、今月上旬に米株価は1つの大底を見たものの、将来的に再びその大底を訪ね、或いはそのレベルを下回る可能性は十分にあります。言い換えれば、今月6日以降のグローバル株価急騰は単なるベア・マーケットラリーの可能性は否定できません。
米株価の本当の底入れは、来年夏か又は秋頃になるでしょう。
オバマさん政権による一連政策が効力を発揮し、米経済の体質転換が順調にいけるとの確信が得られるのは約2年後と仮定すると、その約半年前の来年半ばが株価の大底となります。
テクニカル的には、S&P500の大底は500前後となるでしょう。
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