豪ドル需給:津田
先般お知らせしたように豪ドル、特に豪ドル円は例年決算月の3月末にかけて、本国送金(リパトリ)の高まりを見せて円買い需要が増大し、豪ドル円が下落する傾向にある。
しかし今年は2月初旬に55円台の史上安値圏を付けてから、むしろ3月もここまで64円台に上昇しており、リパトリによる円買い需要も今年は空振りとの見方が強まっている。豪ドルの個別需給を見てみると:
豪ドル買い需要
・豪ドル安をテークチャンスした企業買収の活発化
日本紙パルプのオーストラリアンペーパー買収、中国チャイナルコのリオ・ティントへの出資($19.5bioまだ豪州財務省からの認可下りず)、中国五鉱集団のオズ・ミネラル買収の話、富士通が豪大手州ITのKAZを買収。サントリーがスポーツ飲料のFURCOR買収、アサヒビールがシュウエップス買収の話($1.19bio)など。
・外債発行需要の高まり-WESTPAC、ANZのサムライ債(それぞれ2000億円相当)など。
・貿易収支の黒字化-昨年8月から貿易収支黒字化。
・リパトリによる円買い需要の減少。
昨年に比べて豪ドル買い需要の減退要因
・本年度の日本電力会社との石炭価格交渉で燃料炭は昨年比44%値下げとなりトン当たり70豪ドルに。また原料炭や鉄鉱石も50%程度の値下げ予想。
しかしながら商品相場下落から輸出額自体は減っているものの、内需の縮小から輸入額がそれ以上に減少し、逆に資源ブームのころより貿易収支が黒字化して黒字額が拡大しているのは皮肉な結果。
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