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2009年2月 5日 (木)

サムライ債発行ラッシュ:津田

サムライ債(円建て外債--非居住者が日本国内で発行する円建て債券)の発行は昨年9月の独自動車大手ダイムラー以来途絶えていました。昨年9月の米証券リーマンブラザーズの破綻によるサムライ債の契約不履行問題もあり、日本の投資家に敬遠されてきました。

しかし今週、約5ヶ月ぶりに豪銀WESTPACはサムライ債史上で民間企業として初めて豪政府保証つきのサムライ債の発行要領を発表しました。今回のWESTPACサムライ債は総額2,013億円(3本立)で全額豪政府の保証つきです。主幹事は日興シティーグループ証券、大和證券SMBC、野村證券の3社となります。565億円は5年変動利付き債で円Liborプラス70bp1,330億円は5年固定利付き債でクーポンが1.7%で円スワップレートプラス70bp118億円が3年固定利付き債でクーポンが1.27%で円スワップレートプラス40bpの発行条件です。

またこれに続いて豪銀ANZも政府保証付きのサムライ債の発行を公にしました。3年6ヶ月固定の個人向け、5年固定・変動の3本建てで、主幹事はWESTPACと同じ3社になります。更に豪銀コモンウエルス銀行も起債を検討しているもようです。また豪銀はサムライ債以外にも政府保証プログラムを利用して米ドル建て、豪ドル建てそしてユーロ円建て(日本以外で起債される円債)の債券発行に前向きと言われます。

豪銀は昨年12月以降政府保証による債券発行で270億米ドル近くを調達していますが、主に米ドル建て・豪ドル建てとなっていました。円建ては当初政府の保証プログラムから除外されていたためサムライ債の発行に至りませんでした。豪州政府の保証付き債券はS&PやムーディーズによりトリプルAに格付けされていますが、同じくトリプルA格である従来の政府債より利回りがはるかに高く、世界の投資家の人気を集めているとのこと。

日本の機関投資家の外債投資は昨年の金融危機以来減退していましたが、ここに来て市場環境も最悪期を脱しつつあることから、財政収支の健全な国の政府保証付き債券であれば前向きと言われており、金融市場正常化の前兆となるような気がします。

さて、為替がどの程度起こるかですが、香港のデリヴァティブハウスでもこのサムライ債の話は有名で、知り合いに聞いたところ、かなりの部分スワップで期日の転換レートを確定させるのではないかとのことでした。かつて活発であった個人投資家向けの”豪ドル建て売り出し債”の為替リスクを個人投資家が甘受したのとは異なり、今回は主に機関投資家向でスワップ付きで為替リスクを排除した形態となるようですので、サムライ債発行=豪ドル買い需要とは必ずしもならないようです。

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