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2009年2月23日 (月)

次の一手を考える(その2):かかし

 「かかし」です。

 先週もお話しましたが、私の所属する出版社の雑誌の関係で、四半期決算の時期には、約1か月の間は決算書に埋もれて企業分析に追われます。それがやっとおわりました。1か月ぶりの休日を楽しんでいます。

 そのようなわけで、このブログも、そして株式市場の動向も十分にフォローできていません。申し訳ありません。しっかりキャッチアップします。

 この1か月の株式市場を振り返ってみると、興味深い動向でしたね。実線は日経平均、点線がNYダウ平均です。

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 何が興味深いかというと、まったく同じ動きだからです。日本では、政治不信、酔っ払い大臣問題、2けたのGDP下落、大赤字の企業収益、貿易黒字の大幅減少などなど、悪い話が山のようにありました。でも株価は単に米国に連動しただけです。日本の特別な要因に株式市場は反応していないのです。感覚的には日本の株式市場のほうが大きく下げていないと具合が悪いような気がするのですが・・・・面白いものです。

 ということは、「次の一手」を考えるというこれまでの方針を変更する必要はないようです。

 そこで、大赤字の企業収益の問題を考えてみるための話題として、新日本石油を見てみましょう。日本最大の石油精製会社で、ENEOSというブランドでガソリンを売っています。この1か月の株価は太い線、日経平均が細線です。

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 株価が上げていますね。ところがこの間にとんでもない展開がありました。1月30日に10-12月決算を発表したのですが、同時に20093月期の業績予想を大幅に下方修正したのです。120億円の営業赤字という従来の予想を3040億円の営業赤字としました。赤字が一挙になんと2090億円も膨らんだのです。前年は2639億円の営業黒字でした。

 これは、会社側が公式に発表したもので、正しい会計プロセスを経ているものですから、決して文句をつけるようなものではありません。

 でも考えるべき問題があります。石油会社は大量の原油を持っています。その価値が原油価格の変動で大きく動きます。会計原則では、その価値が変動した場合は、その変動分を、たとえ実際に販売していなくても損益として計上しなければなりません。「在庫影響」が損益に重大な影響を及ぼします。

 その在庫影響を除くと全く違った構図が浮かびあがるのです。「在庫影響」を除くと3040億円の営業赤字どころか、1060億円の営業黒字になります。前年の「在庫影響」を除く営業利益が961億円でしたから、何と10%の増益なのです。

 株価が上昇したわけが見えてきます。

 10月には新日鉱ホールディングと経営統合します。JOMOのブランドでガソリンを売っている会社です。石油部門はジャパンエナジー。女子バスケットが強いです。以前はam.pmというコンビニの親会社でもありました。

 その新日鉱ホールディングの20093月期の公式な業績予想は1080億円の営業赤字。赤字会社と一緒になってどうすると思われるかも知れませんが、同じメカニズムが隠されています。「在庫影響」を除くと400億円程度の黒字なのです。

 新日本石油の株をいつ売るかということも考えておく必要があります。もし、経済の低迷が続き、原油価格も底這いのまま1年が過ぎると、原油価格の前年と比較した変化率はゼロになります。そうすると「在庫影響」がなくなります。つまり、経済の回復がなくても「在庫影響」がなくなるため、約4100億円の増益になるのです。

 投資家のなかには「減益は売り」「増益は買い」と考える人たちがいっぱいいます。大幅増益を好感して買いに入る投資家は多いはずです。その人たちに気持ちよく買ってもらうために、売り払ってください。それで取引は完結です。

かかし。

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