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2009年2月25日 (水)

欧州金利とスペイン情報:水谷

来週3月5日にECB定例理事会そしてBOE金融政策委員会が迫ってきました。月に1度のイベントであり、それに向けた金利の動きを見てみましょう。

Euriborfeb25 チャートは金利先物市場Euribor9月限です。御覧の通り、いったん売られて、やっと買いに転じています。(価格の上昇は金利の低下を意味します。)現在の価格9月限98.375(利回り1.625%)からは、ECB政策金利を25bps上回って取引されるという水準からして1.375%となります。現在の政策金利が2%ということから、0.50%はすでに織り込まれています。市場は1.00%の利下げを要求する形でもう少し買われてもよいのではと思います。いつものことながら、市場は常に大きな数字を要求し、そして利食いとなります。その意味であと25bpsくらい買いあがる展開ではないでしょうか?外部環境では、東欧圏の金融市場の混乱(もっとも世界経済も混乱しているのですが)から東欧圏の金融機関の経営危機、そして欧州主要金融機関の東欧への融資比率が高い(25%前後)と日米の数字(5%前後)よりも高いことから金融機関の経営不安が指摘されています。そしてアイルランド、そしてスペインなどの長期債格下げとユーロ安材料が多くあります。このように考えるとユーロ売りと考えるのは自然の流れのようです。欧州の投資家は金投資をユーロ安局面で進めていると言われています。ユーロ売りの流れの中で金買い、そして金の取引が対ドル(ロコロンドン取引)でされていることからも今後もユーロ売り/ドル買いが出てくるのではないかと思います。

英国の金利も見ましょう。下記のチャートはショート・スターリング(Short Sterling)です。

Sterlingfeb25 3月限のチャートですが、現在98.12(利回り1.88%)です。1月21日に付けた高値98.705(1.295%)までには58.5bps利回りベースでは高い水準です。BOEの政策金利1.00%と利下げ余地が少ないことから買い意欲は強くはないようです。0.50%の利下げ期待はあるものの、金利市場は冷めています。BOEの金融政策のスタンスが金利調整から量的緩和に移っていることのよるものではないか。国債の買い取りの議論に注目が集まっています。ポンド/ドルは昨年11月から数えて4回目のポンド売りサイクルの終了局面のようです。ユーロ/ポンドでのポンド買いも0.88台前半にあり、そろそろ0.90台に戻るの局面がくるのではと思います。英国経済(-5.9%前期比年率)の景気後退感は先進国では日本(-12.7%)に次いで悪く、まだまだ買える市場環境にないように思います。

スペインも景気が悪い。第4四半期失業率は13.9%です。ユーロ全体の8%を大きく上回っています。現在は我慢の生活が続きます。しかし、若い世代には不動産バブルの崩壊でマンションなど、いままで手に届かなかったものが買える状態になることは歓迎です。新婚家庭が、両親と同居せざるとえなっかた事例がマドリッドなどで見られたのですが、今度は職探しの状態です。一方が良くなれば、他方が悪くなるという悪循環のようです。バル(日本の一杯飲み屋でつまみが豊富です。)で一杯とストレス解消の場所があるので、日本のように荒れる若者は少なそうですが。スペイン人の明るさは世界一のようです。再び財政黒字を計上する時代が来ることを期待しましょう。

それでは。

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