次の一手を考える(その1):かかし
「かかし」です。
10-12月期の決算がようやく終わりに近づきました。私は経済雑誌系の調査会社で企業調査を担当しているので、この時期は大忙しです。徹夜こそしませんが、もう1か月近く土日返上で朝から晩まで決算書類と格闘しています。
それにしても悪い決算です。日経新聞では2009年3月期は460を上回る会社が最終赤字になると指摘していました。投資有価証券評価損など特別損失も大きいので、最終赤字やむなしというところです。
気になるのは、会社の公表する通期の予想と、4月-12月の実績数字を比較すれば、この1-3月について相当数の会社の営業損益が赤字になることです。最終赤字はともかくとして、営業赤字というのはとんでもないことです。
決算数字を見ていて背筋が寒くなります。経営者の方々は背筋どころか全身に戦慄が走っているのではないでしょうか?
このような状況のなかで、驚くべきことがあります。株式市場はこの決算に深刻な反応をしていないのです。もちろん悪い決算で下げる銘柄は多いのですが、先週の日経平均はわずか3.7%しか下げませんでした。NYダウが5.2%下げたことを見れば、日経平均は決算内容を無視したといえます。また、10-12月のGDP予測も問題としませんでした。
このような場合、株式市場が間違っていると考えたくなるのですが、市場に敵対して勝ち目はありません。株式市場は底打ちのサインを送り始めました。
市場が底を打つときの重要なサインは他にもいくつかありますが、その中でも特に重要なのがディフェンシブ株の動きです。底打ちの局面ではディフェンシブ株が値を消します。
ディフェンシブ株が値を消すのは大きく見て2つの場合です。
① 株式市場が本当に悪い時。ディフェンシブだろうと成長株だろうと株という株はすべて売られます。当然、株式市場は大暴落の只中です。
② 底打ちで主役が交代する時。ディフェンシブ株が、その役割を終え、「次の一手」を担う銘柄群にバトンタッチをする場合です。
どうも②の可能性が高くなりました。ようやく「嵐のなか」という表現を使わなくても良くなりそうです。
参考までに、先週の気になった銘柄の株価動向を書いておきます。
下落した主な銘柄
ワタミ 小売 -9.64(%)
アサヒビール 食品 -8.75
味の素 食品 -6.54
キリン 食品 -6.41
コカコーラ・ウェスト 食品 -6.14
第一三共 医薬 -5.74
花王 化学 -5.65
上昇した主な銘柄
古河電池 電機 15.92
鶴見製作所 機械 15.85
GMOインターネット 通信 11.83
イビデン 電機 9.29
ホシデン 電気 8.60
SANKYO 機械 8.10
かかし
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