米債券市場の相場観:水谷
今日は米債券市場について取り上げて見ましょう。現在の利回りを確認しましょう。30年債3.02%, 10年債2.48%, 2年債 0.80%, 3年債 0.13%です。短期債が特に安全志向とゼロ金利政策と量的緩和政策から1.00%を下回り、ゼロ金利に近い状態です。オバマ次期大統領が何かドラスティックな景気刺激策をしてくれるのではとの期待感が高まっています。そして限界までに債券高となっています。米投資情報誌バロンズによると、米財務省証券は現時点で最大の投資バブル状態にあるかもしれないと指摘しています。景気が回復し、インフレが上昇に転じたら安全性に何も保証もないとの見方をしています。そしてここに来て、微妙に変化の兆しを感じます。10年と2年のスプレッド(利回りの差)が168bps(basis points)と年末年始の120~140bpsから広がっています。これは長期金利が今後上昇してゆくのではとの思惑が働いているからです。債券と株式市場でのキャッチボールで、株式市場が上昇すれば、リスク志向の資産が債券市場から移動を始めます。そして債券市場は売られる環境となります。債券市場では価格が下落し、投資利回りが上昇します。特に長期債から利回りの上昇が始まります。利回り曲線(イールドカーブ)の上昇つまりスティープニング(steeping)と言われる現象です。半年位のスパンで見ると、9月のリーマン破綻時には160bps前後、そして11月上旬には240bpsまで上昇(丁度大統領選でオバマ氏が当選)リスク志向が高まり、その後再び安全志向から長期債金利が低下、フラットニング(flattening 利回り曲線の低下)が起こりました。そしてここに来て再びスティープニング現象です。ここのところTIPS(The Action of Treasury Inflation Projected Securities)80億ドル、3年債300億ドル、10年債160億ドルと入札が行われます。NY連銀は資産担保証券(MBS)を500億ドル規模買取る一環として昨日購入を開始しました。経済対策の一環でしょうが、大量の国債の発行で長期債が上がる傾向です。そして、7日には議会予算局(CBO)が2009年度の米財政赤字が1兆ドル(約97兆円)を上回る規模になるとの見通しです。これはオバマ政権にとって相当のプレッシャーとなるでしょう。昨日の日経新聞によれば、中国は米国との友好関係維持のため、米国債を積極的に買っているといいます。中東政府系ファンドが原油安から今後も積極的に買うとの保証はありません。ロシアも政治的に米国債を買うとは思えません。ましてや原油安がロシア経済を悪化させます。
長期債の上昇に目が向き始め、オバマ政権の政策運営状況を金融市場がリトマス紙をかけ始め、ネガティブのレッテルを張ってしまうと、更に長期債から金利の上昇が顕著になり、イールドカーブのスティープニングが更に強まります。バーナンキFRB議長は、デフレーションに経済が陥ることを警戒しています。短期金利の低位安定、そして長期債の上昇が今後の米債券市場を予感させられます。米株式市場が活況なうちは、ドルも上昇しそうですが、市場が長期金利の上昇に気がつけばドルの下落を考慮しないといけません。
ユーロが下落基調にあるようですが、金利について少しだけ触れておきましょう。金利先物市場では、昨日のオープニングからは買われている状況です。(プライスアップの金利低下)Euribor6月限利回り1.965%です。まだまだ金利ディーラーは利食いには入らない模様であり、来週木曜日までは積極的に攻めの姿勢を示しそうです。そして利食い。Sell on rumor, buy on fact.の格言で、ECB定例理事会の発表待ちのようです。為替相場は、ECB, BOEの金利引下げがテーマのようで、米国要因はひとまずサイドメニューのようです。そんな訳でドルインデックスがドルブルトレンドに傾いています。
それでは。
水谷
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