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2009年1月 6日 (火)

株式相場の長期見通し:竜河

長期的に株価がどうなるのかは、これから世界経済がどこに向かうのかによって決められます。

 

その世界経済を見ると、一昨年まで、エンジン役をしてきたのはアメリカと中国でした。今では、この二つのエンジン、中でも特にアメリカがストップしたままになり、世界経済が急減速してしまいました。そして、困ったことに、アメリカと中国の代わりに世界経済を牽引できる国・地域はまだ現れていないようです。そのため、世界経済の今後は、引き続きアメリカと中国の景気状態に依存します。

 

しかし、米中両国がいかにして世界経済を牽引してきた構図を分析すると、近いうち、景気が好転する可能性が非常に低いように思われます。

 

その構図とは、大まかに言えば、アメリカが中国産の廉価商品を大量に輸入する一方、中国が輸出で稼いだ外貨をドル、米国債およびエージェンシー(政府機関)債に換え、米国金利の低位安定に貢献し、その低金利環境で、米国民は借金でき、高い住宅を買えるようになり、さらに住宅を担保に借金を増やし、もっと消費する構図でした。

 

この構図は、ここにきて崩壊しました。即ち、米国の借金消費と中国の資金還流で作られてきた“仮需”は一気に萎みました。仮に、この両国が再び世界経済を牽引することがあれば、その条件として、1)アメリカに再び大量の資金が流入し、アメリカ人の購買力が回復し、かつ消費意欲が高まること;2)中国の国民がこれまでの貯蓄第一の考えを改め、もっとお金を使うようになり、その結果、国内の過剰供給力が吸収されること、などは必要と思われます。

 

 ただ、この2点はともに達成しにくいと思われます。まず、1点目の米国への大量資金流入ですが、オバマ政権のバラマキ政策を見ると、米国の借金はこれからも急速に増えると予想され、そうなると、ドル下落か、又は国債の利回り上昇などで、先に米国にお金を貸す人が痛い目に会う可能性は大きい。また、今回の金融システム崩壊・株価大暴落で、仕事や住宅を失ったり、退職後の備えとしていた401Kが大きく減ったりするなど、世界が変わったと感じているアメリカ人が多いのではと思われます。こういったアメリカ人はこれからたとえ再び手元資金が増えるとしても、以前のような生活スタイルに戻るとは考えにくく、寧ろ、貯蓄金の回復に努めるのではないかと思われます。

 

2点目の中国国民の消費拡大ですが、社会保険システム、失業保険そして医療保険が整備されていない上、貧富の差がさらいに拡大している現状では、そもそも消費拡大の基盤ができていません。そこで、米国発の不況が中国にじわじわ侵食し、広州・浙江省など加工貿易依存度の高い地域では、昨年上半期に既に企業倒産ラッシュが起こり、下半期では大企業も倒産ラッシュに巻き込まれました。このような状況では、普通の中国国民にとって、沿海地域への出稼ぎ労働者は明日のわが身に映り、ますます財布の紐を固く締めると思われます。

 

このように、米中両国の景気が拡大ペースを高めるのは、まだまだ先のことであれば、株価の長期ブル相場入りもまだまだ先です。

 

ただ、長期見通しは明るくなくても、ベア相場ラリーはよくあることです。例えば、昨年1028日の6,994円から今日の9,080円までの日経平均回復は、ベア相場ラリーと言えます。

 

 

当面のマーケットについて、

1) 筆者は昨年1216日の本欄で日経平均の下値不安が薄れたと書いたが、そこから相場は上昇してきました。ただ、今日の終値の位置は、当面、利益確定に回った方が良いことを示唆しています。

2) 米株価の底入れが日本より遅かったため、続伸する可能性は大きい。

3) ドル円は非常にクリティカルなポイントに差し掛かり、現状レベルから上下どちらかに大きく振れれば、暫くの間、相場がその方向に行く公算は大きい。

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