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2009年1月22日 (木)

こちらのアナリストの今年の豪ドル予想:津田

おはようございます。私の私見は昨年末に”今年の見通し”でお伝えしましたが、こちらの著名通貨アナリストの豪ドルに対する見解を次回と2度にわたりお伝えします。次回は円クロスの見解などです。

A –Richard Grace: CBA Chief currency strategist
B-Tony Morris: ANZ Senior currency strategist

C-Jonathan Cavenagh :WESTPAC currency strategist

D-Greg Gibbs : ABN AMRO director foreign exchange strategy

E-John Horner: Deutsche Bank foreign exchange strategist

質問1

2009年豪ドルの主な変動要因、リスク要因は?

A

主な変動要因は世界経済動向、米ドル動向、RBAの金融政策の3つ。世界経済動向はすなわち株価動向であるがリセッションからの脱出過程にある。Q1に下落した後Q2から年央にかけて株価が反転し豪ドルも上昇する。また2009年年央にかけて米ドルが弱含むのも豪ドルを助ける。

B

豪ドルの歴史的な急落後で足元米ドル安からのリバウンドもありうる。しかし世界経済の悪化による輸出の減少から本格的な回復には至らない。豪ドルは50セント半ばに下落する可能性があるが、米ドルが財政赤字を背景に下落する場合には反転する可能性も。しかしその場合も変動相場制移行後の平均値72セント以下にとどまる。

C

2008年同様世界経済動向(特に米国、アジア)と商品相場、リスクアペタイトの有無が主な変動要因。金融危機の影響から上半期に主要経済の好転は望めない。豪ドルは目先60セントを目指し55セントにオーバーシュートする可能性も。

D

世界経済に対する信頼の回復の有無が重要ポイント。オバマ政権の財政、金融支援策への期待感でセンチメントは好転しつつあるが依然脆弱。米ドル先安感が豪ドルをサポート。

E

主な変動要因は世界経済動向と米ドル動向。ここまでの景気後退局面で多くの財政・金融措置が主要国において取られたが、その効果が世界経済に現れる場合には、商品相場の上昇とリスクアペタイトな動きから豪ドルは回復する。

質問2

豪ドルが50セント以下に下落するとすれば主な原因は?

A

米国のTWI(trade weighted index)が更に20%上昇する場合と、世界経済の更なる悪化、豪州のリセッション入り、RBAがキャッシュレートを3%以下に引き下げる場合。最大要因は米ドルのTWIで世界経済の大幅後退にもかかわらず2001年と比較して米ドルのTWIは依然40%当時より低い。

B

更なる世界経済の後退、商品相場の下落、世界的な株価の下落が現実となれば簡単に豪ドルは下落する。2001年豪ドルが50セントを割った理由は米国IT部門への資金の急激な流入であったが状況は異なる。

C

2001年の下落は豪州への資金流入激減が原因であった。反対に米国に資金が流入しイールトカーブがフラット化した。2001年同様または、明らかにそれ以上世界経済は悪化しており、商品相場はピークの50%超減となっているが依然として2000-2001年の安値より40%高い。

D

更なる世界経済の後退と工業用原材料価格の低下、世界的な企業収益の低下とデフォルトリスクの増大、更なる株式市場の下落と金融システム不安が豪ドルを押し下げる。この場合銀行の資金調達コストの上昇が再び顕著となり、RBAは対処策として更なる利下げに踏み切る。反面世界的に信用市場が落ち着き、クレジットスプレッドな縮み、オフショア市場からの借り入れが円滑になる場合は信用リスク軽減から豪ドルがサポートされる。

E

既に悲観的な世界経済見通しが更に悪化する場合。その場合には商品相場が下落し、リスクアペタイトの高まりから米ドルが上昇する。2008年の学習効果として、概して世界経済が後退し金融不安が高まる場合には米ドルがその準備通貨としての役割からパーフォーマンスが良化する。

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