スロバキアがユーロ導入、AMERO、ニーハオなど
「スロバキアがユーロ導入」 「ユーロ、AMERO、ニーハオなど」
東欧のスロバキアが2009年1月1日、「ユーロ」を導入した。
1999年1月1日11カ国で導入されたユーロは誕生から10年で、加盟国は16カ国となった。
これで欧州連合の人口5億人のうち3億2800万人がユーロを使用する。
1999年導入当初は余剰資本が欧州から流出しユーロドルは0.8352、ユーロ円は88.96円まで下落し協調介入するに至ったがその後は持ち直した。先ずは成功したと言えよう。さらに今後も加盟国を増やして勢力を増すだろう。ユーロ誕生以前はEMSの問題児であったタリアリラ、ポルトガルエスクード(フレンチフラン)などの切り下げ圧力による混乱も消え去った。
さてユーロがその誕生まで50年もかけた道のりを北米経済圏で新通貨AMEROを導入しようとする動きもほんの少し聞くことがある。アジアでは90年代に私も共通通貨「ニーハオ」の創設はどうかと叫んでいた。でも実際、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどはいつでもユーロに加盟する条件は整っている。
日本がユーロ加盟条件をクリア出来ない厳しさは以下の通り
①消費者物価が上昇率も最も安定した3カ国から1.5%以内にある
②長期金利が①の3カ国の水準から2%以内にある
③財政赤字のGDP比率が3%以内
④政府債務総額がGDPの60%以内にある
⑤為替相場がEMS(欧州通貨制度)の為替相場メカニズム(ERM)の変動幅の中に2年以上留まり自国の意思による切り下げをしていない
北米3カ国の新通貨構想AMEROもユーロ誕生までの歴史やメカニズム、加盟条件を参考にするだろう。米国カナダ間では妥協、譲歩が可能であるが(但しカナダはケベック問題がある)、メキシコと条件を揃えるのが難航するだろう。ただユーロもドイツとスペイン、ポルトガルが歩調を合わせるのは困難といわれてきての統合であったので不可能ではないだろう。
ドル化(DOLLARIZATION)という言葉もあり実際パナマなどが導入しているが、アルゼンチンのように失敗した国もあった。ドルペッグしている国やユーロペッグしている国もあるだろう。さてアジア通貨はどこに、日本の円はどこへ行くのだろう。
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