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2008年12月 3日 (水)

金利市場はECBの大幅利下げは織り込み済み!:水谷

皆さんこんにちは!

今週は各国中央銀行による利下げラッシュのようですね。昨日はRBA(豪準備銀行)の大幅利下げ(1.00%)でキックオフしました。1.00%利下げしてもまだキャッシュレートが4.25%とインフレ目標水準の23%とはまだまだ乖離があるようで、更なる追加利下げが行われる様相です。声明文を読むと最後に、「The Board will continue to monitor developments and make adjustments as needed to promote sustainable growth consistent with achieving the 23 percent target over time.」とあります。必要であれば調整(政策金利の引き下げ)をするということのようですね。オーストラリア経済は実態が相当悪いように外からは見られるのですが。「Sale」の看板の目立つ住宅が多くなった、街に空き店舗が増えている、倒産件数が急増してる、物価が下がっているといった現象が起きているのですか、津田さん?

明日からはRBNZ(ニュージーランド準備銀行)も大幅に利下げするとの観測で始まり、そして欧州ではBOE(イングランド銀行)、そしてECB(欧州中央銀行)と続きます。英国経済が瀕死の重傷に陥っているようで、キング総裁以下事前にメッセージを発しています。予想は現行3.00%の政策金利を0.75%引き下げて2.25%とする。この2.00%という数字はインフレ目標に近い水準です。そろそろ利下げによる金融政策にも限界を感じざるを得ないところにきている気がしています。そして、ECBの定例理事会へと続きます。ユーロ金利先物市場にEuriborという市場があります。指標となる6月限が昨日97.64となっています。金利水準に直すと2.36%です。通常政策金利を0.25%上回って6月限が取引されていると言われています。そうすると現在は2.11%という政策金利と言えます。現在は政策金利が3.25%ですから、既に1.00%以上を織り込んでいると言えます。トリシェECB総裁の慎重を期した政策スタンスからしても、0.75%の利下げが行われるのではないでしょうか。仮に0.75%利下げされて2.50%とすると、ECBのインフレ目標の2.00以下には0.50%の乖離があります。切り札を残した形で来年を迎えることになるでしょう。欧州の実体経済は、米国並みに悪く、そして金融政策と財政政策が一致していないところに弱みがあるようです。

金融政策はECBが全てのユーロ圏諸国に浸透しているのですが、財政政策は各国まちまちです。どうしてもドイツ中心の金融政策にも反発はあります。ドイツの景気とスペイン、イタリア、ギリシャの景気は異なります。昨年まではスペインは財政黒字でした。不動産バブルで経済は活況を呈していました。その多くを英国人からの不動産投資に頼っていました。しかし、アングロサクソンからの不動産バブルの崩壊をいち早く受けました。そして現在は、失業率14%と不景気風をもろに受けています。サパテロ・スペイン首相は公共事業を中心に総額110億ユーロ(約1兆3000億円)の追加経済対策を発表します。その結果、財政赤字に転落です。バルセロナの日産自動車工場のリストラで、労働者の抗議のデモが連日行われ社会問題となっています。このように、ユーロ圏15カ国はそれぞれの経済事情を抱えており、各国温度差があります。ドイツ中心にユーロという通貨を見ると、とんでもない誤解があるのです。全ての国が同じ財政政策をすること自体に無理があるようで、ユーロという通貨の永遠のアキレス腱となります。

為替市場に触れておきましょう。シカゴ先物市場(CME)の数字をチェックすると、1125日時点で、円ロング(買い持ち)(ドルショート(売り持ち))37,166枚、ユーロショート(ドルロング) 21,478枚、ポンドショート(ドルロング)40,244枚のネットポジションです。一時の高水準のポジションではないにしても、そこそこのポジションは維持しているようです。ドル/円でのドル安、ユーロ/ドルでのユーロ安、ポンド/ドルでのポンド安方向を見ているようですが、そろそろ利食い時の時期を待ち構えているようです。欧州金利の引き下げが限界に近づきつつあるのと、12月のドルのリパトリエーション(ドル資金の本国回帰)も終りつつあるようです。新年からは、新たな相場展開になるような気がしています。チャート上ではこのところそうした兆候がでるのですが、直ぐに消えて、元通りのトレンドとなるようです。

クリスマスモードの為替市場、じっくりと来年に向けた作戦を練りましょう。

水谷

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コメント

水谷様
以前”為替世界観ブログ”で大変勉強させて頂きました。再びブログを拝見し、これまでの続きの感覚で水谷さんの為替観を知ることができて喜んでおります。7月から始まったトレンドに対し新たな相場展開を予感されていること、大変参考になります。

Rimrock様
ご無沙汰しております。ご拝読有難うございます。
為替ケ・セラ・セラ(http://fx-blog.jp/mizutani/)
でも週1回か2回の割合で書いています。
こちらも宜しくお願いします。
水谷

投稿: Rimrock | 2008年12月 5日 (金) 21時52分

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